フリークエンシーってなに?WEB担当者として覚えることを伝授
フリークエンシーについて
Web広告に限らず、あらゆるすべての媒体における広告の目的は「多くの人の目に触れる」ことです。まず「見てもらえないことには話にならない」わけです。広告を見た人、つまり分母が多ければ多いほど分子、つまり広告の商品・サービスを買ってくれる人、その広告元の企業やブランドに興味を持ってくれる人が増えるということです。
しかし一方でできるだけ分子を増やすことも広告戦略における非常に重要なテーマです。分母に対して分子が少ない状況だとその広告はインパクトに乏しく、購買欲を掻き立てる力に欠けている可能性が高くなります。
そんな広告を巡る戦略において重要な要素の一つとなっているのがフリークエンシーです。簡単に言えば「一人のユーザーに対してどれぐらいの頻度、回数で広告を表示させるか」を意味する用語です。
広告の理想としては1回見ただけでその人が広告をクリックして商品の紹介・販売ページにアクセスしたり、実際に商品を購入してもらえるような環境が欲しいところです。しかしなかなかそうはいかないのがマーケティングの難しいところ。何度かアプローチしたうえで関心を持ってもらえる環境へと持っていく手法が求められます。その際に「どれだけひとりのユーザーが広告を目にする機会を作るか」がフリークエンシーの基本となります。
注意したいのはフリークエンシーを高くする、つまり表示する回数を増やせばいいというわけではないことです。消費者の視点から立って考えればその理由は容易に想像がつくでしょう。どこかサイトを訪れるたびに同じ広告が表示されると次第にうんざりしてくるものですし、場合によっては「いかにもサイト履歴が追跡されている」印象を抱いて不快に思うこともあります。広告を出す側からすればブランドイメージを高めるどころか低下させてしまうという逆効果になってしまうわけです。
このさじ加減をうまくわきまえつついかに最適なフリークエンシーでWebマーケティングを行っていくことができるか、これがWebマーケティングを最適化し、効率と成果の両方を高めていく上でのポイントとなるでしょう。
フリークエンシーの確認の仕方
実際にフリークエンシーがどの程度なのか、確認する方法は広告を出している媒体によって異なります。2大Web広告のGoogle広告とYahooのYDNの方法を確認したうえで、日頃からこまめにチェックするようにしましょう。
Google広告では管理画面における「表示項目の変更」内の項目にある、「リーチの指標」の平均表示頻度にチェックを入れることで確認できます。チェック入れることでこの機能が適用され、フリークエンシーの数を確認することができるようになるのです。
一方YDNではレポート機能に「フリークエンシーレポート」があり、この機能でレポートを作成することで確認することが可能です。
テストで最適なフリークエンシーを探す
先程も触れたように広告が表示される回数が多ければよい、というわけではありません。どの程度の頻度・回数にするかをセッティングする「フリークエンシーキャップ」という設定を行うことになるのですが、この設定の段階で何回くらいが適切なのかをきちんと把握しておかなければなりません。
そこで役立つのがテストです。実際に設定する前にテストを行い、CB数やCPA数字などを参考にした上でどれぐらいの回数が良いのかをチェックすることができます。もしこの段階であらかじめ想定していた回数とテストの結果との間でギャップがあった場合には、想定した数字が過剰・過少のいずれかであった可能性が高くなります。見込みや希望だけでフリークエンシーキャップを決めるのではなく、必ずテストで得た具体的な数値を参考に綿密に設定するようにしましょう。
フリークエンシーが高くなったらどうするの?
フリークエンシーが高くなりすぎると先述したように不快な印象を与えてしまう恐れがあるため、フリークエンシーキャップの設定を下げるのがもっとも簡単な方法です。
フリークエンシーキャップと設定方法について
フリークエンシーキャップではおもに3つの制限をかけることができます。もっともシンプルなのが全体の回数で制限する方法。2つ目が期間を設定したうえで制限する方法で、例えば「1週間に3回まで」などといった形です。そして3つ目が広告に対して設定する制限です。例えば「3種類ある広告のうちどれか1つだけ表示させる」といったパターンです。
設定方法は簡単で、Google広告の場合はキャンペーン単位の「設定」の欄をクリックすると「フリークエンシーキャップ」という項目が表示されるので、そこで設定ができます。YDNも基本的には同様で、「詳細設定」の欄に「フリークエンシーキャップ」の項目があるのでそこから設定を行います。
まとめ
広告は表示される頻度が少なすぎるとインパクトに欠け、多すぎるとマイナスイメージになってしまいます。この悩ましいWeb広告の問題を解決へと導き、効率を高めるのに役立つのがフリークエンシーです。テストを経て正確な設定を行い、必要に応じてその都度変更を加えることで、Webマーケティングの精度を大幅に高めることができるはずです。