PV(ページビュー)について
GoogleアナリティクスでWebマーケティングを行っていく上で非常に重要な用語・概念となっている一方で少々分かりづらい面があるのがPV(ページビュー)、セッション、ユーザーの違いです。いずれも「サイトにどれだけの人がアクセスしているのか、どれだけサイト内のページが閲覧されているのか」を把握する上で役立つデータですが、それぞれ意味や得られる情報が異なるため、しっかりと違いを意識したうえで使いこなしていくことが求められます。
PVとは「ページビュー」の名前の通り「ページが閲覧・表示された数」のことです。非常にシンプルに「そのページが何回表示(読み込まれた)か」を確認するためのものです。
このPVによってサイト内のどのページがもっとも多くの人から読まれているのか、どれだけ人気があるのかを確認することができます。一方、あくまで純粋な閲覧数なので、「PV=アクセスしたユーザーの数」にはなっていない点に注意が必要です。
ある一人のユーザーがサイト内の複数のページを閲覧した場合、それぞれのページのPVにカウントされます。ですから長く滞在して多くのページを閲覧するユーザーが多いほどサイト内のPVの総数が伸びることになるわけです。一方、たまたまページにアクセスしたものの、そのページだけをチェックしてすぐに離脱してしまった場合にはPVは「1」だけになります。
これはサイト内の各ページのPVの格差となって現れることもあります。すべてのページが同じくらいのPVで推移している場合、訪れたユーザーは多くのページを閲覧していると推測することができます。それに対して特定のページのPVだけが突出して多い場合にはユーザーは限られたページしかチェックしていない可能性がでてきます。例えば話題の新製品やもっともSEO対策がうまくいっているページに多くのユーザーが流入してくる一方でその後すぐに離脱してしまう傾向が想定されるからです。
なお、ブラウザでページを更新した場合、他のページに移動した後に「戻る」ボタンでまた前のページに戻った場合でもPVにカウントされます。
セッションについて
セッションとはユーザーのサイト内での行動パターンを示すものです。PVのところで触れた問題を改善するためのデータとして重宝します。
あるユーザーがサイトを訪問した時にどれだけ滞在したか。最初のページだけで離脱してしまったか、あるいはサイト内のさまざまなページをチェックしてくれたか。これをセッションで把握することができます。
例えばAさんというユーザーがサイトを訪問した時に最初にアクセスしたページともうひとつのページだけをチェックして離脱した場合、PVは「2」、セッション数は「1」となります。一方Bさんはまず朝にサイトを訪問して3つのページを閲覧、さらに夜に改めて訪問して2つのページを閲覧した場合にはPVは「5」、セッション数は「2」となるわけです。
ですから、セッション数に対してPV数が多い状況ほど訪問したユーザーがそのサイトに長くとどまり、商品のチェックや情報収集を行っていることを意味しています。
ユーザーについて
そしてもうひとつ重要なのがユーザー数。こちらは特定の期間内に訪れたユーザーの数を示すデータです。PVは純粋にページが表示・閲覧された回数、セッションはユーザーのサイト内での行動パターンを数字化したのに対してユーザー数はあくまで「ある期間内に何人がサイトを訪問したか」を示す数字です。
例えばひとりの人間が一回の訪問でたくさんのページを表示・閲覧した場合でもその人が記録されるユーザー数は「1」です。同じように一日に何度も訪問した場合、セッションの場合は複数回にカウントされることもあるのに対してユーザー数は「1」のまま。この3つのデータの中ではもっとも数が少なくカウントされるデータと言えます。
三つの関連性
この3つはそれぞれ非常に密接な関連性を持っています。PVとセッションの関係については少し触れましたが、PVが多いだけでなくセッション数が増えないと売上やコンバージョン率の向上は見込めません。PVばかりが多いサイトは「たまたまたどり着いただけで見込み客になる可能性が薄い」ユーザーが多い可能性がある一方、セッション数が多い場合、サイト内をいろいろとチェックしているわけですから、見込み客になってくれる可能性が高いと判断できます。
一方ユーザー数はサイトを訪問している絶対数を把握するのに役立ちます。PV数とセッション数が多くても、その多くはリピーターでサイトを訪問している数そのものは少ない、というケースも考えられます。もちろん何度もサイトを訪問してチェックしてくれるリピーターはとても大切なものですが、そればかりでは知名度アップや新規開拓がうまく機能しません。多くのユーザーにサイトに訪問してもらい(ユーザー数)、多くのページを閲覧してもらい(PV)、できるだけサイト内に長く滞在していろいろな情報をチェックしてもらう(セッション数)。この3つの柱がすべて揃ってサイト上でもWebマーケティングがうまく機能すると言えるでしょう。