ウェブサイトの広告は、常に見たその瞬間にクリックされるものではありません。その時はスルーしても、なぜか印象に残っていた、もしくは、何度も見ているうちに詳しく知りたくなったなどといった理由で、後から検索するなどということはよくあることです。そのような効果を広告が与えていることを表す指標が、今回紹介する「ビュースルーコンバージョン」です。このコンバージョンにはどんな役割やメリットがあるのでしょうか。
ビュースルーコンバージョンってなに?
ビュースルーコンバージョンとは、最初に広告を見た時点ではユーザーのクリックには至らかなかったものの、後ほど別の経路で再度サイトを訪問し、遅れて達成したコンバージョンのことを指します。動画やディスプレイ広告などに間接的にどのような効果があるのかを把握するために、参考とされることが多いです。
ビュースルーコンバージョンの役割と使う理由
上で見たとおり、表示された時には広告をクリックしてくれなかったユーザーが、のちに別経路からコンバージョンしてくれた時に、ビュースルーコンバージョンとしてカウントされます。
たとえば、あるサイトに掲載の広告を、とあるユーザーが見たとしましょう。その時点では広告をクリックするほどにユーザーの興味を喚起することはできませんでした。しかし、ユーザーに何らかの印象を与えることに成功すれば、後日、そのユーザーに何らかのきっかけで別のサイトに掲載されていた同じ広告をクリックさせることも可能でしょう。この場合のように、別のルートを辿ったものの、最終的にコンバージョンに至ったケースがビュースルーコンバージョンです。
この種のコンバージョンが計測できれば、広告の持つ効果を、一面的ではなくより幅広い面から理解することも可能です。マーケティングに役立てることができるという理由で、多くの企業に使用されています。
なお、これに対し、実際に広告を見た時点でクリックして達成されたコンバージョンのことは、クリックスルーコンバージョンと呼びます。
計測するメリット
サイトに掲載した広告をユーザーにクリックしてもらうには、そのユーザーがそうしたいと感じる理由や何らかのきっかけが必要です。広告を実際に見た時点でクリックしたいと思わせることができればよいですが、人の心理はそう単純にいくことばかりではないでしょう。その時点では何の興味も抱かなかったのに、後日、何かのきっかけでふと先日見た広告が気になることもあります。もしくは、何度も同じ広告が表示されるうちに、徐々に興味を掻き立てられ、最終的にクリックするというケースもあるはずです。
広告の効果を正しく計測するには、上記のような要素まで考慮に入れなければなりません。しかし、広告のクリックによってコンバージョンを単純にカウントするだけでは、そんな人の心理に及ぼす効果など把握することは不可能です。
そこで考え出されたのがビュースルーコンバージョンであり、これによって広告の間接的効果がある程度把握できるようになりました。
設定方法
ビュースルーコンバージョンはさまざまなプラットフォームで設定できますが、それぞれに設定方法が異なります。以下で、Google広告、Yahoo!広告、Twitter広告のそれぞれにおける設定方法を確認しましょう。
Google広告の場合、まず管理画面から「ツールと設定」に進んでください。「測定」のなかに「コンバージョン」というところがあるはずです。そこから希望のコンバージョンを選び、「ビュースルーコンバージョン計測期間」で任意の日数を設定します。
Yahoo!広告の場合、管理画面から「表示項目」をクリック後、「表示項目の編集」に進みます。追加項目に「ビュースルーコンバージョン数」というのがあるので、それをチェックして完了です。
Twitter広告の場合、「ポストビューアトリビューション」という指標があります。ビュースルーコンバージョンのことですので、これを設定しましょう。管理画面に入り、「ツール」を選びます。それから「コンバージョントラッキング」を選ぶと、計測できるコンバージョンイベントが表示されます。そのなかから計測したいイベントを選び、「ポストビューアトリビューション期間」で日数を設定します。
効果を発揮させるためにやっておくといいこと
ビュースルーコンバージョンで広告効果を正確に把握するには、計測期間をなるべく短くするのがポイントです。期間が長くなるほど、ユーザーが広告以外の接点からコンバージョンに至った可能性が高くなるため、広告効果を正確に把握することが難しくなってしまいます。
もう一点、ユーザーの興味を喚起しやすい広告づくりも大切です。その時点でクリックには至らなくても、強い印象を残すことに成功すれば、後から気になってコンバージョンに至るというケースも増えるでしょう。
まとめ
広告の効果は、直接的なものだけでなく間接的な要素も考慮に入れないと正確に把握できません。その際の一つの指標として参考になるのがビュースルーコンバージョンです。ぜひマーケティングに活用してみましょう。