2011年ごろから注目を集めるようになった分析アプローチに、アトリビューション分析があります。今では広く普及してきています。アトリビューション分析の名前は広く知られるようになったものの、きちんと使いこなせている人はまだ少ないようです。マーケティングを担当しているのであれば、アトリビューション分析の基本的なことを把握したほうがいいでしょう。
アトリビューション分析について
アトリビューション分析とは、従来のコンバージョンの直前にどの広告をクリックしたかに加え、その手前にユーザーがどのような広告に接触したかも分析する手法です。直接的だけでなく、間接的な効果までも含めて、コンバージョンへの貢献度について分析ができます。
アトリビューション分析がなぜ利用されてきたのか
従来の最後のクリックだけを分析するスタイルの場合、それ以外の広告に関する評価ができなくなります。成果を生み出しているのは最後に見た広告だけでなく、前段階のクリックも、アシストなどの貢献をしている可能性があります。このようなアシスト効果を有している広告が正当な評価を受けず、やめてしまう恐れもあります。
アトリビューション分析は、最後のクリックの過大評価を抑制できるのも利用される理由の一つです。最後のクリックを過大評価した結果、そこにより大きな予算を割くようになり、広告費の無駄遣いにつながってしまう恐れもあります。このような誤った評価に避けるために、アトリビューション分析が重用されるようになりました。
アトリビューション分析の得手不得手
アトリビューション分析には得手不得手があります。向いているのは高額な商品など、購入するまでに時間をかける商品です。もしくは、複数のメディアで広告を打っている商品もこの分析はおすすめです。商品名の検索の多い商品も、アトリビューション分析を使ってみるといいでしょう。
逆に向いていない商品は、リーズナブルな価格でどこでも購入できる商品です。手に取ってすぐに購入できるような、購入に時間のかからない商品はアトリビューション分析向きとは言えないので、導入には慎重であるべきです。
アトリビューション分析モデルについて
まずは、終点モデルです。これは、最後に接触したメディアがコンバージョンに寄与するという考え方がベースにあります。キャンペーンなど、短期間で完結するようなビジネスモデル向きの考え方と言えます。
その逆が、起点モデルです。最初に接触したメディアのみがコンバージョンに貢献していることが前提になります。新商品をアピールするような広告向きのモデルです。
均等配分モデルもあります。これは、すべてのメディアが等しくコンバージョンに貢献しているという考え方です。広く適用できるモデルと考えられています。
減衰モデルとは、コンバージョンに近いメディアの貢献度が大きく、離れると徐々に下がっていくという発想です。終点モデルに近い考え方です。
接点ベースモデルもあります。これは、最初と最後に接触したメディアが最も貢献度が高いという発想です。
アトリビューション分析のツール
アトリビューション分析を行うにあたって、2つのツールを利用することになります。それは広告計測ツールとMAツールです。
広告計測ツールを見てみると、有料と無料のものがあります。どちらがいいとは一概には言えないので、状況に応じて使い分けるといいでしょう。MAツールは、ユーザーデータの収集から効果測定に至るまでも一括で管理できるのが強みです。この両者を連携させることで、商品の認知からコンバージョンに至るまでのプロセスを正確に把握できるはずです。
アトリビューション分析をはじめる
アトリビューション分析をはじめるにあたって、まずは仮説を立てましょう。そして、コンバージョンを計測して、仮説が正しいかどうか検証します。必要に応じて改善を行い、再度検証を行います。これをサイクルのように繰り返し続けることによって、より現状に即した広告戦略が立てられます。
Googleのアトリビューション分析について
Google広告では、アトリビューションモデルを設定する機能があります。コンバージョンに関する情報を確認できる検索アトリビューションとアルゴリズムによって貢献度の割り振りを行うデータアトリビューションを活用することで、広告の貢献度がわかります。
また、Googleアナリティクス側にもアトリビューション分析機能があります。パラメーターを自由に設定できるので、検索エンジンを含め、分析が可能です。
成果物、アトリビューションレポートの活用方法
アトリビューションレポートで、コンテンツごとのリード件数やコンバージョンに至るまでの行動プロセスが判明します。そこから、どんな広告やメディアがコンバージョンにどれだけ貢献しているかがわかります。さらに、コンバージョンに至ったケースと至らなかったケースの違いも分かります。至らなかったケースを分析し、原因を特定できれば、より良い広告に改善できるでしょう。
まとめ
アトリビューション分析をすることで、コンバージョンに至った直接・間接両面の効果の解析が行えます。仮説を作り、検証し、改善するというPDCAサイクルを回し続けることで、より適切な広告戦略が立てられるでしょう。