BtoBのマーケティングは、従来、オフラインでの活動が中心でした。しかし、コロナ禍によるリモートワークの推進によって、これまでのようにオフラインの戦略ばかりでは限界が訪れます。そこで、BtoB向けマーケティングにおいてWebが重視される理由を認識し、新規顧客の獲得、および、見込み顧客の育成についての手法を考えましょう。
BtoB向けWebマーケティングとは?
そもそもBtoB向けマーケティングとは、「Business to Business」ビジネスを行う企業のためのマーケティングのことで、法人向けサービスや製品の新規顧客獲得から契約に至るまでの活動を指します。これをWeb上で行うのが、BtoB向けWebマーケティングです。
従来、BtoB向けマーケティングはオフラインが中心で、あまりWebを活用した手法は重視されませんでした。伝統的な営業活動によって十分ニーズを満たすことができたのがその理由でしょう。しかし、現在はBtoBマーケティングにおいてもWebは欠かせない存在です。ただでさえ、Webの普及とともに「情報収集はネットで」という人が増えているのに加えて、2020年からはコロナ禍によって多くの企業がリモートワークを導入せざるを得なくなり、顧客獲得についてもWeb上のコミュニケーションが必要不可欠になりました。
今後、たとえコロナ禍が完全に収束したとしても、BtoB企業においてもWebマーケティングの重要性が今より低下することはないでしょう。
見込み顧客獲得までの手法
Webを活用した見込み顧客獲得の手法に、コンテンツマーケティングがあります。見込み顧客に対して価値ある情報を提供するための手法です。
具体的には、ブログやサービスサイトなど自社のオウンドメディアを積極的に活用して有益な情報を発信していきます。その情報が有益で価値が高いほど、見込み顧客に興味を持ってもらうことができ、やがて自社のファンとなってもらうことも可能です。
見込み顧客の獲得には、ランディングページ(LP)の最適化も重要な手法です。ユーザーがどのようなニーズを持っているのかを探り、常にそれに合わせてLPを改善していくことが、コンバージョンアップにおいては欠かせません。アクセスはあるのにコンバージョンが期待ほどではないという時は、LPに何らかの問題がある場合が多いでしょう。アクセス解析や分析などを通じて問題を探り出し、コンバージョンにつなげられるようにその都度LPを改善していきましょう。
Webを通じてのプレスリリースも有効な手法として挙げられます。新商品や新サービスのリリース、新事業や企業情報の発表など、昔からプレスリリースで行われてきましたが、今ではそれを自社のWebメディアを通じて行う企業が増えています。自社の姿勢やイメージを思い通り発信しやすいメディアということもあって、見込み顧客の獲得にも有用でしょう。
リスティング広告も効果的な手法です。ある程度の知識や技術は必要ですが、即効的な効果が得られるため、今後の見込み顧客開拓の手法として導入を検討する価値は大いにあります。
見込み顧客育成までの手法
見込み顧客を獲得することができれば、今度はその顧客を育成し、商談や契約にまでつなげていく段階です。そのためのWebを用いた手法には以下のようなものがあります。
一つはメールです。メールといっても、その内容はメルマガ、ステップメール、セグメントメールと分類できます。メルマガについては誰もが知っていますが、ステップメールやセグメントメールを知らない場合は、この機会に覚えておきましょう。
ステップメールとは、段階的に見込み顧客にメールを発信する方法です。ある商品の見込み顧客に対して、その商品に関する豆知識や使用方法などの情報を小出しにしながら送るというやり方があります。
セグメントメールとは、メールを送る相手を特定の属性のみに絞るやり方です。前回送信したメール内のリンクを踏んでくれた人にだけ、次のメールを送り、前回紹介した商品やサービスのさらに詳しい情報を提供するといったやり方が考えられます。
また、今ではSNSもBtoB向けマーケティングには欠かせません。SNSというと対個人の手法というイメージがありますが、今ではBtoBでも有効性の高い手法として知られています。SNSによって自社のブランディングや認知度向上などが可能です。
従来のオフラインのやり方ではセミナーという方法がありましたが、今ではこれをWeb上で行う「ウェビナー」という手法を取り入れる企業も増えています。実際に対面しなくても実施できるということで、これからの時代にぴったりの手法です。SNSなど他のメディアとの相性も良いため、見込み顧客育成にも積極的に活用しましょう。
まとめ
BtoBは従来、変化の乏しい業界と言われていました。しかし、昨今の状況の変化もあり、今では急速にWebマーケティングが普及すると同時に、次々と新しい手法が登場しています。自社に適した手法を適宜取り入れられるよう、日ごろからWebマーケティングの手法についてリサーチしておきましょう。