アクセス解析におけるクッキー（Cookie）とは？役割を紐解く

ウェブサイトにアクセスすると時々表示されるのが、Cookieについての警告です。

「Cookieの取得に同意してくれ」などと言われて、何のことかわからず困ったという経験を持つ方は少なくないでしょう。

アクセス解析においても重要なCookieですが、そもそもどういう役割を持つのか、また、どんな種類があるのでしょうか。

Cookieの役割

Cookieとは、ウェブサイトに訪問した履歴を記録するための仕組みです。

これがあることで、サイトにアクセスしたユーザーが、過去もアクセスしたことのある同じユーザーだということがわかります。

まず、ユーザーがサイトに初めてアクセスした時に、IDのようなものがCookieに割り振られ、ブラウザにその情報が保存されます。

すると、同じユーザーが再度アクセスした時に、前回保存した情報が自動的に取り出されます。

その結果、IDやパスワードの入力をしなくてもログインが可能になるわけです。

Cookieが保存されるのはブラウザごとです。

そのため、同じユーザーでも異なるブラウザでサイトにアクセスした場合は、また初回のアクセスとなって異なるCookieが発行されることになります。

PCやスマホ、タブレットなどのデバイスについても同じです。複数のデバイスで同じサイトにアクセスしても、Cookieはデバイスごとに別々のものが発行されます。

こういう仕組みを持つCookieのおかげで、ユーザーの好みや属性に適した広告の配信が可能になります。

とあるネットショップで買い物したところ、別のサイトに訪れた際に同じような種類の商品の広告が表示されたことのある経験がある方も多いでしょう。

こういうことができるのも、Cookieが以前の情報を保存しているからです。

別のサイトにアクセスした時に過去の情報を呼び出せるため、ユーザーに関連した商品やサービスを効果的に訴求できます。

このマーケティングの手法が「リターゲティング」です。

Cookieの種類

Cookieにも種類があります。

大まかに分けると、ファーストパーティCookieとサードパーティCookieの2つです。

ファーストパーティCookieとは、ユーザーのアクセスしたサイトが発行するCookieです。

一度ログインしたサイトにIDやパスワードが保存され、2回目以降のアクセス時に再入力の必要がなくなるのは、ファーストパーティCookieが機能しているおかげです。

ただ、ファーストパーティCookieが使用できるのは同一のドメインだけです。

同じサイト内においてのみ、情報を保存しておくことができるCookieだと理解しておきましょう。

もう一つのサードパーティCookieは、ユーザーがアクセスしたサイト以外のドメインが発行するもので、複数のサイトを跨いで情報を取得・保存できるのが特徴です。

先に「Cookieの役割」のところで見たユーザーに適した広告配信は、サードパーティCookieによって行われています。

複数のサイトでユーザーの行動を記録することができるため、収集した情報からそのユーザーが特に関心の高そうな分野を知ることが可能です。

これを利用して、たとえば、スポーツ関連のサイトに多くアクセスするユーザーにはスポーツ用品の広告を配信するといったことができます。

Googleアナリティクスで使われているCookieの役割

「Googleアナリティクス」でも、アクセス解析のためにCookieが使用されています。

Googleアナリティクスでは、4種類のCookieが異なる役割を担ってユーザーの行動記録を収集しています。

その4種類とは、「ビジターID」「セッションID」「キャンペーン」「ビジターセグメンテーション」です。

ビジターIDCookieとは、アクセスしたユーザーを特定する役割を持ちます。

過去のアクセス日時や回数を記録し、あるユーザーがどのぐらいの頻度でサイトを利用しているかなどを知ることが可能です。

セッションIDCookieとは、その名の通りセッション（一連の操作）を記録するCookieです。

有効な保存期間は30分で、その間のセッションの全体を記録します。

キャンペーンCookieとは、ユーザーがどんなサイトから流入してきたかを把握するためのCookieです。

要は、参照元情報の記録という役割を持ちます。保存期間は6か月です。

もう一つのビジターセグメンテーションCookieでは、カスタム変数を格納します。

任意の条件でフィルタリングしてユーザーの行動を測定できる機能のことです。

まとめ

ユーザーの行動記録を取得し、最適な広告配信等に役立つCookieは、アクセス解析においても重要な存在です。

ところが、Googleはすでに、Chromeブラウザ上でのサードパーティCookieのサポートを今後2年以内に終了することを発表しています。

ユーザーの行動を追跡することがプライバシーに触れる恐れがあると考えられたからでしょう。

今後は、Cookieに代わる分析方法が導入される見込みです。※2021年現在