カスタムインテントオーディエンスについて
カスタムインテントオーディエンスとは、購入見込みの高いユーザーに対してアプローチを試みるマーケティング手法のことです。つまり自社の商品・サービスに対して興味を持っており、情報提供することで購入してくれる見込みが高いユーザーにピンポイントでアプローチすることを目的としています。
マーケティング、とりわけWebマーケティングの分野では広告に対する考え方に変化が見られています。かつて広告・マーケティングと言えばとにかく多数の人たちの目に届くアプローチを採用し、目についた人の中から顧客を獲得するというやり方が主流でした。つまり「分母を大きくすれば分子も大きくなる」手法です。それゆえに露出度が高いテレビCMや駅や繁華街の大きな建物に見られる大きな広告が効果を得てきたのです。
それに対してWebマーケティングの重要性が高まっていくにつれてよりピンポイントで情報を届けるマーケティング、つまりターゲティングが重視されるようになりました。1000人の目に届いても買ってくれる人が10人もいるかどうかわからないマーケティングよりも、100人の目に届いて10人が買ってくれるマーケティングの方がよい、という考えです。たくさんの目に触れる広告の方がブランディングという点では優れていますが、費用対効果など総合的な面を考えるとやはりピンポイントのターゲティングで成果が得られるほうが望ましいと考える企業の方が多いのです。とりわけマーケティングに注入できる資金力に限界がある規模の企業にとっては、適切なターケディンクに基づく手法こそマーケティングの鍵となるでしょう。
そんなピンポイントなマーケティングを追求したうえでたどり着いたひとつの回答ともいえるのが、このカスタムインテントオーディエンスなのです。このマーケティングでは普段から自社の商品・サービスについて、あるいはその分野の情報について積極的に検索しているユーザーをターゲティングしたうえでマーケティングを行うのが一般的です。つまり「こんな商品がほしい」とネットで情報収集をしている人に対して「こんなものがありますが、いかがですか?」と売り込みをかけるような形です。
カスタムインテントオーディエンスの活用方法
このカスタムインテントオーディエンスの活用においては大きく分けて3つのパターンが見られます。まずターケディングしたユーザーが関心を持っている、または日頃から検索に利用しているカテゴリをキーワードで絞り込む手法です。ある特定のキーワードでよく検索しているユーザーに対して自社の広告を表示されやすくする手法です。何度も同じキーワードで検索していれば当然何度も広告が表示されるわけですから、「じゃあちょっとチェックしてみようか」とユーザーが感じる可能性が高くなりますし、ターケディングがしっかりマッチしていれば「これがわたしがほしいものだったんだ」と購入に至る可能性も高くなるわけです。
もうひとつはURLをメインに設定するタイプ。ターゲティングしたユーザーがよく訪問しそうなURLを入力すると、そのアドレスと同様のサイトを訪問しているユーザーへ広告表示されます。「あなたはよくそのサイトに訪問されますが、弊社のサイトもいかがですか」とアプローチをかけるわけです。
3つ目はアプリケーションで行うタイプ。ターケディングしたユーザーがよく使用していると想定されるアプリを入力・設定することで、そのアプリや類似のアプリを購入・ダウンロードして使っているユーザーに広告が表示されるようにします。こちらも「弊社の商品もいかがですか?」とアプローチする形となります。
その他のターゲティングとの違い
その他のターゲティングとの違いでは、よりユーザー層を絞込んで広告を届けることができる点でしょう。ピンポイントに届けることができるので高い費用対効果が期待できますが、一方で後述するように「失敗すると成果がまったく上がらなくなる」リスクも伴います。他のターゲティングと比較して高い効果が期待できる一方、ターゲティングの精度が求められるとも言えそうです。
カスタムインテントとカスタムアフィニティについて
なお似たような概念・手法にカスタムアフィニティと呼ばれるものがあります。こちらもユーザーが関心を持っているジャンル・カテゴリに基づいて広告が配信されるサービスです。自社の商品・サービスに関心を持っている、見込み客の可能性が高い層にアプローチする点で両者は共通していますが、若干の違いが見られます。
カスタムインテントのほうがよりピンポイント、該当商品・サービスそのものに対して関心を持っているユーザーに届けることを目的としているのに対して、カスタムアフィニティは該当商品・ユーザーが属しているカテゴリ全般に対して関心を持っているユーザーに届けることを目的としているのです。ですからカスタムアフィニティのほうがより広い範囲を対象にしており、自社製品・サービスをまず知ってもらう目的も含まれています。
カスタムオーディエンスの設定と気を付けること
先述したようにカスタムオーディエンスではキーワードやURL、アプリなどを設定したうえでマーケティングが行われます。ですからここで見当違いな設定をしてしまうと、見込み客になりそうにないユーザーに対してばかり広告が配信されてしまう「手違い」が生じかねません。事前のターゲティングとアプローチする範囲の決定がとても重要になってくるのです。
また設定するキーワードやURLは多ければよいというわけではなく、ある程度絞り込んだほうが効果が高いと言われています。基本的にキーワードは10個程度、URLは5個程度が推奨されていますから、あまり欲張って多く設定しすぎないよう注意しましょう。
まとめ
このようにかなり狭い範囲にターゲットを絞り込んだ上で広告を配信することで、直接的なマーケティング効果を目指すのがカスタムオーディエンスです。成功すれば非常に高い効果が見込める上に、資金力が限られた企業でも大企業に競える手法ともなるだけにぜひともうまく使いこなしたいものです。